祖母は気が強くて、若い母を虐めていた割には気が小さく、
広い家で一人でいるのをとても怖がるような性格だった
「ドロボーが入って来て『ババアたたっ殺す』と槍で突かれる」と言っていたこともあった
母が用事で夜遅くなり、家に誰もいないと、
「さっさと帰ってくるがいいや!びちゃびちゃ雨が降っているのによ!」と母を叱った
しかしその時雨は降っていなかった
母を虐める性格なのに母が四六時中そばにいないといてもたってもいられない
そんな性格を見抜いて、母は1980年代の半ば過ぎだったろうか、
母は祖母に逆襲をした
夜、祖母が風呂に入っている間に、家中の照明を消して家を真っ暗にしてしまった
母は照明を消すと庭に出て植栽の陰に隠れて、祖母がどうするかを見ていた
祖母が恐怖の表情で家のなかをあたふた駆け回るのが見えた、と母は後日私に語っていた