母が亡くなる前の1年半ほど、
老人施設に入所する母に週一くらいで花などを持って会いに行っていたが、
ほとんどは他愛もない馬鹿話をして過ごしていた
嫁に来た昭和20年代の初めころ、祖母によく虐められたと言うハナシが多く、
本人は至ってマジメに怒っているのだが、申し訳なかったが、私は可笑しくて可笑しくて心のなかで腹を抱えて笑っていた
そのいじめの現場にもしかして私もいたのかもしれないが全く記憶がなかった
現状の普通の会話で数分前のことを次々忘れるが、
70数年前の祖母に虐められた内容は、昨日のことのように、あれやこれや詳細に鮮明に覚えていた
いじめられたと言ってもいわゆるパワハラのような形だが、
次から次へと溢れんばかりに出てくる祖母のいじめのケースは際限がなく、とても面白かった
しかし、母は、その後、1980年代頃、祖母が老いると祖母にいじめに関して逆襲をし始め、
まさに逆パワハラのように、祖母の弱点を突いた巧妙な復讐をするのだが、
なんというか、けっこう頭脳的で、効果的で、まるでホームコメディのようで、
私はいつも含み笑いをするほかになかったのだった