先日のM信託銀行との調停に於いて、一番印象に残っているのは、
兄の多額(億単位)の母の財産の使い込みに関して、
M信託銀行側の「そんなことは遺言とは関係がない」という主張でした。
法律的にはそうかもしれません。
しかし、その使い込みをした本人が全財産を相続する、という遺言を作成することを、
なんのためらいもなく引き受ける、という行動を歴史ある財閥系の信託銀行が堂々と行う、ということに、
とても違和感を感じます。
M信託銀行は、公正証書遺言の作成を引き受けた時点では、どうやら、兄の使い込みは知らなかったようです。
ただ、このような多額の財産に関する公正証書遺言の作成を引き受けるのであれば、事前に、もっと慎重に本人から聞き取り調査をすべきではなかったのでしょうか。
厳密に言えば兄の「告知違反」ではないかと思いますが、あたかも、そんなことはどうでも良い、と言うがごとく、M信託銀行はまったくそれを意に介していないようです。
どうも、そもそもの遺言信託契約が普通の契約の状況ではなく、なにかしらの大きな背後の事情がありそうです。