長谷川裕雅著「家族内ドロボー」より引用
『従来は、意思能力があればストレートに遺言能力も問題ないと考えられていましたが、最近では、当該遺言を理解する能力として一般の意思能力以上の能力を要求する傾向にあります。
判例においては、遺言内容が重大ないし高額であることの理解の有無、遺言作成依頼の経緯、遺言作成時の状況、他人による不当な干渉の有無などが考慮されています。』(P181)
上は公正証書遺言の無効を争う裁判での最近の傾向ですが、
まずは、公正証書遺言を突き付けられた、もう駄目だ、と早々に諦めないことでしょう。
普通の家では親は遺言なんか書きません。
公正証書遺言があったと言うだけで、ある相続人の並々ならぬ財産獲得の意思が存在する、
と推測して間違いないだろうと思います。
この程度の軽い認知症では公正証書遺言を覆すのは難しい、と考える、弁護士さんも多いかと思います
しかし、その内容の重大さ如何によっては軽い認知症であっても十分に無効となる可能性もあるのです。
1000万円の相続と1億、10億の相続ではおなじ認知症でもまったく意味合いが違ってくるはずです。